お盆になると耳にする「迎え火」と「送り火」。
「そもそも何のためにするの?」
「いつ、何時ごろにやればいい?」
「何を燃やすの?」
「マンションだから火を使えない……」
初めてお盆の準備をする方にとっては、分からないことも多いですよね。
迎え火・送り火は、ご先祖様を迎え、そしてお送りするために受け継がれてきたお盆の風習です。
ただし、地域・宗派・家庭によって時期や方法は異なり、すべての家庭で行うものではありません。
この記事では、迎え火・送り火の意味から時期、一般的なやり方、必要なもの、火を使えない場合の考え方まで、2026年版として分かりやすく解説します。
迎え火とは?
**迎え火(むかえび)**とは、お盆に帰ってくるとされるご先祖様をお迎えするために焚く火です。
浄土宗の公式サイトでは、お盆の入りの日に門前や玄関先でオガラを焚き、その炎や煙をご先祖様を迎える目印とする風習が紹介されています。
一般的には、
「こちらですよ。迷わず帰ってきてください」
という思いを込めて灯すものと考えると分かりやすいでしょう。
送り火とは?
**送り火(おくりび)**は、お盆を一緒に過ごしたご先祖様をお送りするために焚く火です。
日蓮宗の公式サイトでも、送り火は「お盆の最後の日」に精霊を送り出すために焚く火であり、盆の初めの迎え火に対応するものと説明されています。
迎え火が、
「おかえりなさい」
なら、送り火は、
「また来年。お気をつけて」
という気持ちを表す風習ともいえますね😊
迎え火・送り火はいつする?
一般的な8月盆の場合は、
🔥 迎え火……8月13日ごろ
🔥 送り火……8月15日または16日ごろ
に行われます。
浄土宗公式サイトでも、お盆は一般に7月または8月の13日から15日(16日)で、13日に迎え火、15日(16日)に送り火を焚く地域があると説明されています。
したがって、2026年の一般的な8月盆なら8月13日(木)〜16日(日)ごろが目安になります。
ただし重要なのは、
全国一律ではない
ということです。
7月にお盆を行う地域もありますし、送り火を15日に行う家庭も16日に行う家庭もあります。
地域や家庭の習慣がある場合は、そちらを大切にしましょう。
迎え火・送り火は何時にする?
「夕方じゃないとダメ?」
という疑問も多いところです。
迎え火・送り火は夕方に行われることが多い風習ですが、「全国どこでも○時に行う」という決まりはありません。
家庭や地域の習慣を優先し、安全に行える時間帯を選びましょう。
特に火を使う場合は、暗くなってから無理に行う必要はありません。
迎え火・送り火には何が必要?
昔ながらの方法では、主に次のようなものを使います。
- オガラ(麻の茎の皮をはいで乾燥させたもの)
- 焙烙(ほうろく)などの耐熱性の器
- マッチやライターなど
浄土宗公式サイトでも、長いオガラを小さく折り、素焼きの器などに組んで火をつける方法が紹介されています。
ただし、火の使用については住宅・寺院・地域などのルールを必ず確認してください。
迎え火の一般的なやり方
① オガラを適当な長さに折る
焙烙など、火に耐えられる器の上へオガラを置きます。
② 玄関先など安全な場所へ置く
昔から門前や玄関先などで行われてきました。
ただし現在は、住宅環境が大きく変わっています。
道路・共用部分・火気禁止の場所などで勝手に火を使わないようにしましょう。
③ オガラに火をつける
周囲に燃えやすいものがないことを確認してから火をつけます。
火を焚きながら、ご先祖様を迎える気持ちで静かに手を合わせます。
④ 完全に消火する
終わった後は、火種が残っていないことまで確認しましょう。
風が強い日など、火を安全に扱えない状況なら無理に行わないことが大切です。
送り火のやり方は?
基本的には迎え火と同様に、オガラなどを焚いて行う風習があります。
送り火では、
「今年もありがとうございました」
という気持ちでご先祖様をお送りします。
地域によっては灯籠流しなどを行うところもあります。
ただし浄土宗公式サイトも、川へ流す風習について、現在は環境問題から禁止している自治体もあるため、実施可能か確認するよう案内しています。
川や海へ供物や飾りを自己判断で流さないようにしましょう。
マンションでは迎え火・送り火をどうする?
ここは2026年版の記事として、しっかり書いておきたいポイントです。
マンションや集合住宅では、
- ベランダ
- 廊下
- エントランス
- 階段
- 駐車場
などが火気禁止になっている場合があります。
「お盆の行事だから」という理由で、管理規約などに反して火を使ってよいわけではありません。
また煙やにおいが近隣の迷惑になることもあります。
そのため、火を使えない環境なら無理に迎え火・送り火を行う必要はありません。
盆提灯などを用いて故人を偲ぶ方法もあります。
大切なのは火そのものではなく、ご先祖様や亡くなった方を大切に思う気持ちです。
雨の日はどうする?
雨の日も、無理に屋外で火を焚く必要はありません。
特に、
「室内なら濡れないから火を焚こう」
と考えるのは避けましょう。
火災や一酸化炭素中毒などの危険があります。
天候や住宅環境によって安全にできない場合は、火を使わない方法を選びましょう。
浄土真宗では迎え火・送り火をしない?
ここは今回の記事で特に重要な宗派差です。
浄土真宗では、一般的な「お盆だけご先祖様の霊が家へ帰ってくる」という考え方をしません。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)は、亡き方は浄土に生まれ、いつも私たちを見守ってくださっているという教えから、お盆を迎えるための特別な準備は必要ないと公式に説明しています。
したがって、浄土真宗では一般に、ご先祖様を迎えたり送ったりするための迎え火・送り火を必要としません。
これは昨日の記事「精霊馬」と同じく、
「お盆だから全員がやらなければならない」
わけではないという大切なポイントです。
京都五山送り火と家庭の送り火は同じ?
「送り火」と聞いて、
🔥 京都五山送り火
を思い浮かべる方も多いでしょう。
京都五山送り火も、お盆の精霊を送る行事として知られています。
一方、家庭で行う送り火は、玄関先などでオガラを焚くといった形で伝えられてきました。
同じ「送り火」という言葉でも、家庭の風習から地域社会の大きな行事まで形はさまざまです。日蓮宗公式サイトでも、この違いが紹介されています。
迎え火・送り火で注意したいこと
特に現代では、伝統だけでなく安全と周囲への配慮も大切です。
- 火気禁止の場所では行わない
- マンション等の管理規約を確認する
- 強風時は無理に火を使わない
- 子どもだけで火を扱わせない
- 燃えやすい物の近くで行わない
- 火から離れない
- 終了後は完全に消火する
- 川や海へ供物などを勝手に流さない
「昔からやっているから大丈夫」ではなく、現在の住宅環境や地域のルールを優先しましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1. 迎え火はいつ行いますか?
一般的な8月盆では8月13日ごろに行われます。ただし7月盆など地域差があるため、家庭や地域の習慣を確認しましょう。
Q2. 送り火は15日と16日のどちらですか?
どちらの地域・家庭もあります。浄土宗公式サイトでも15日(16日)とされており、全国一律に16日だけと決まっているわけではありません。
Q3. 迎え火・送り火は何時にやればいい?
夕方に行われることが多いですが、全国共通の時刻はありません。地域・家庭の習慣と安全性を優先してください。
Q4. マンションでも迎え火をしないといけませんか?
いいえ。火気禁止の場合は無理に行わないでください。管理規約や地域のルールを優先し、火を使わずに故人を偲ぶ方法を選んでもよいでしょう。
Q5. 雨の日でも迎え火・送り火をする?
無理に行う必要はありません。特に室内でオガラなどを燃やすのは危険なので避けましょう。
Q6. 浄土真宗でも迎え火・送り火をしますか?
浄土真宗では、亡き方がお盆の期間だけ家へ帰ってくるとは考えないため、ご先祖様を迎え送るための迎え火・送り火は一般に必要としません。
📚 参考情報
今回の記事では、企業サイトだけに頼らず、宗派の公式情報を優先して確認しました。
浄土宗|盂蘭盆会
迎え火・送り火の意味、一般的な方法、お盆の日程、地域差について確認できます。
日蓮宗|送り火
家庭で焚く送り火から地域行事まで、送り火の意味とさまざまな形について確認できます。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)|お盆迎える心持ち
浄土真宗におけるお盆の考え方を確認できます。
※お盆の時期や迎え火・送り火の作法は、地域・宗派・家庭によって異なります。迷った場合は菩提寺へ確認してください。
🌙 ひとこと

迎え火は、
「おかえりなさい」
送り火は、
「また来年」
そんな思いが込められてきた日本のお盆の風習です。
ただし、火を焚くことそのものが一番大切なのではありません。
現代ではマンションなど住宅事情も変わっていますし、宗派によっては迎え火・送り火を必要としない場合もあります。
昔からの風習を大切にしながらも、安全・地域のルール・それぞれの宗派の考え方を尊重する。
月灯りの小箱では、そんな無理のないお盆の迎え方を大切にしたいと思います😊🌙
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